青年団リンクがとれて独立した最初の公演。2014年の再演らしい。 僻地の中学校の教室でおきるオカルト的な騒動。演出や俳優陣のがんばりもあってテンションがあがりとてもおもしろかった。 ...
タイトルのインパクトも大きいが、下北沢でなく池袋、実際の日本戦後社会がベースのストレートプレイという、これまでのナイロンからは驚きな舞台だ。 ...
開演前の説明では「儀式」と言っていたが、とある架空の宗教儀式を舞台化したもので、演劇というよりは音楽ライブに来たような感覚だ。陶酔感のある音響・音楽と、役者の苛酷そうな状況(中心部は90℃とモニターに流れた)が観客に一体感とグルーブをもたらす。これまで見た舞台で一番近いのは東京デスロック『再/生』だろうか。 ...
青年団2年ぶりの新作とのこと。原作は未読なので(近日中に読むつもり)、以下の感想には今回の脚色と上演に対するものと、原作に対するものがシームレスに入り交じっているはず。 ...
劇場に着くまで、タイトルだけ借りた別作品だと思っていたが、メーテルリンクの有名な童話劇そのものの上演だった。チルチルとミチルの兄妹が最後に自宅で幸せの象徴の青い鳥を見つけるということ以外、実はくはなにも知らなかったことに気づいた。 ...
知らない間にやっていることが多くて久々の五反田団。 70代後半以上の「お婆ちゃん」4人の熱海旅行を軸に、時間軸をなめらかに行き来して、過去の親娘旅行、葬式、痴呆になった仲間との再会などのエピソードを通して、「お婆ちゃん」と呼ばれる時間の長さ、その中にさまざまな記憶が重層的に積み重なっていることを描き出す。 ...
3編からなるオムニバス。各編は共通の登場人物がいたりして緩やかに関連しており、2036年、2006年、2001年と年代を遡ってゆく。 最初の『箱詰め男』は、アルツハイマーを患った脳科学者が自分の脳をコンピュータにアップロードする話。二番目の『ミッション』は突然どこかから自分の欲望と無関係な衝動がやってくる男の話。彼はそれを微妙な変化を引き起こすことによって世の中を最適化しているのではないかと思い始める。最後の『あやつり人間』は就職活動中の女子大生が母の病気などを背景に周囲の優しさに違和感を感じすべてをリセットしたいと思い出す。 ...
1992年の初演から26年ぶりの再演とのこと。 田園都市線市ヶ尾駅からちょっと離れた一軒家に住む三兄弟。かつての田園地帯も今や車がけたたましくゆきかう場所になっている。そんな彼らの家を頻繁に訪れる近所の魅力的な人妻。いわば、彼女は三兄弟のアイドルだ。彼らはそれぞれ、まるでかつての騎士のように恋愛感情とは別の次元で彼女を崇拝しているのだ。 ...
イギリスで死刑が実質的に廃止された直後、1965年の物語。死刑執行人だったハリーはパブの主人におさまり、表だって死刑廃止に反対したりはしていない。そんな彼が過去に執行した男が実は冤罪でその真犯人であることを匂わせる男がパブにあらわれ、直後にハリーの娘が行方不明になる。ハリーと妻が気をもむ中、再度男が店にあらわれる……。 ...
劇団が解散し松井周さんのひとりユニットになって初のサンプル公演。といっても観客からすると大きな違いはない。 あらゆるディストピアの要素を詰め込んだような近未来。恋愛、歌、文字の読み書き、夢を語ること、思想は禁止。しばらく前まで禁止で国家が決めたマッチングパートナーとの人工授精で子どもを産んでいたが、今では野良セックスで生まれた子どもは国家が買い上げ遺伝子の実験に使われている。食糧は慢性的に不足し、一定年齢を越えた老人は「船出」と称して自発的な死を強いられている。 ...
月曜の夜9時からのまさかの観劇。見に来る客はどれくらいいるのかと思っていたら、席はすべて埋まっていた。 子どもを突然死で亡くしたハルは自家用車であてのないドライブに出かける。そこで彼女は仲間とはぐれた外国の音楽家に出会う。二人はフェスが開催される湖に向かおうとするが、途中奇妙なものを目撃して……。 ...
横浜の公演を見損ねたので初のQ。 主人公が人間と妖精とのハーフという立場からのマイノリティの社会論が展開されると思いきや、こういう展開になるとはまったく予想もしてなかった。 ...
まったく予備知識なしにみたが、女子高生三姉妹の物語で、しかも演じるのが男性で、かつ4人で役を回していくというアクロバティックな舞台。男性役は当然女性が演じている。 ...
不条理劇といっていいのだろうか。男たちが窓のない部屋に閉じ込められて外に出られないというシチュエーション。最初二人なのだが、彼らの様子を外から見ていた男が何かの拍子にそこに入り込んでしまい三人になる。彼らは記憶は途切れ途切れで自分たちがいつからそこにいるのか、カメラでずっと監視されていることなどを忘れてしまい、同じことを繰り返す。 ...
初のジエン社。気まぐれで直前にみにいくことにしたのだが、大正解、こういう演劇にずっと飢えていたのだ。 地獄との通路が開いて人間に有害な胞子が飛びだし森が全世界に広がる。それとともに「妖精さん」と呼ばれる胞子に耐性をもった不思議な人たちが通路を通ってこちらの世界に避難してくる。死に場所を求めている人間は森の奥深くに迷い込む。この物語の舞台は森と人が住む町の境界にある庭。妖精さんたちと、彼らを人間社会に適応させるために教育を施すNPOの人たちとの「触れあい」を描いている。 ...
不勉強故、ギリシア悲劇についてはほとんど知識がない。『アガメムノン』も今日初めて知ったが、数少ないストーリーを知っているギリシア悲劇である『アンティゴネ』とおおきな共通点があることに気がついた。それは善悪の基準がひとつでなく複数あることを前提にしていて、それが物語を動かす要因になるところだ。 ...
岩松了が若手俳優たちとタッグを組む公演もこれで3回目。俳優陣は総入れ替えだが、自分と等身大の俳優の役を自分の芸名そのままで演じ、これからひとつの演劇作品を上演するための稽古中、というフォーマットは今回も共通だ。 ...
北海道三部作の第三作。幕末の蝦夷警備、戦争中の火山誕生ときて、今回は現代の夕張市内大夕張と呼ばれる地域を舞台にしている。大夕張はかつて炭坑で栄えたが、数十人の人命を奪う事故に続いて炭坑は閉山し、結局ダム開発で町は水没してしまう。 ...
キュイはこれまで短編を集めたやつしか観てこなかったので心構えとしては半分くらいアートをみにいくような感じがあったのだけど、今回は初の長編で、演劇をみているという感じになった。 ...
今日劇場に向かうときちょうど平和を訴えるデモ隊に遭遇したが、仕込みかと思った。 リクリーションでないほぼオリジナルキャストの舞台は遅ればせながら2011年にみている。そのときの感想はこちら。戯曲としてはほぼそのままなのでこのときの感想はそのまま通用するはずだ。 ...