チェルフィッチュ『三月の5日間』リクリエーション

三月の5日間

今日劇場に向かうときちょうど平和を訴えるデモ隊に遭遇したが、仕込みかと思った。

リクリーションでないほぼオリジナルキャストの舞台は遅ればせながら2011年にみている。そのときの感想はこちら。戯曲としてはほぼそのままなのでこのときの感想はそのまま通用するはずだ。

ではどのあたりがリクリエーションかというと役者がオーディションで選ばれた20代の人たちに刷新されていることがひとつと、あとは演出の違いだ。山縣太一がぬけたことによる単なる印象かもしれないが、身体の動きが従来よりおとなしめになってわかりやすくなった気がする。それはよい面とそうでもない面両方あるとは思う。

前回も横浜で観たので劇場の外が渋谷でないのが不思議な感じだったが、今回はもはやそういう感覚はなく懐かしさだけを感じた。さすがに2003年の渋谷は遠くなってしまった。ブックファーストももうない(北陸銀行はある)。それでもこの物語の力はまったく失われてなくて、神話みたいに強度を保ち続けている。かつて実在した渋谷という聖地をめぐる神話。それは本人が語るのではなく人からきいたこととして語るスタイルが神話の伝承と相似だからかもしれない。

前回はミノベとユッキー二人の物語しか記憶にないけど、今回はそれ以外のアズマとミッフィーやデモ参加の2人の印象が残った。神になれなかった人々だ。彼らの存在を含めて神話なのだ。

作・演出:岡田利規/神奈川芸術劇場大スタジオ/自由席3500円/2017-12-10 14:00/★★★

出演:朝倉千恵子、石倉来輝、板橋優里、渋谷采郁、中間アヤカ、米川幸リオン、渡邊まな実