町田康『屈辱ポンチ』

屈辱ポンチ

表題作より冒頭の『けものがれ、俺らの猿と』の方が圧倒的にすごい作品。妻に逃げられ、部屋を追い出されることになった売れない映画脚本家の前においしい仕事の話が持ち込まれるが、それはさらなる悪夢の続き。関わる人間はどいつもこいつもねじのはずれたやつばかりで、怪しい自警団の男にぼこぼこにされたり、変な街のおかしな祭りで騒動にまきこまれ、雨に濡れて死にそうになり、キ印の男につかまって一晩中俳句作りにつきあわされる。そんな主人公の耳に最後に響く声とは…。

読んでいるとおかしくておかしくて笑いをこらえ切れないので、電車の中で多分変人扱いだ。

★★★