2003年7月6日 町田康『くっすん大黒』 重い本のあとには爆笑もののこの本。電車の中で笑いをかみ殺すのに苦労したが、半日で読み終えた。 二編入っていて『くっすん大黒』と『河原のアバラ』。どちらも生活破綻者の自堕落な中年男が主人公なのだが、なかなかどうして、行動はモラリスティックで論理的だ。そんな男と仲間たちがひきおこすとんちんかんな道中記。『河原のアバラ』のラストで絶望的な状況でありながら、いつまでもいつまでも笑い続けるシーンをキューブリックあたりに撮らせてみたかった。 ★★★