シリーウォークプロデュース『フリドニア~フリドニア日記#1~』
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、脚色・演出:千葉雅子/本多劇場/指定席4000円/2004-03-27 19:00/★★★
出演:長田奈麻、森田ガンツ、市川しんぺー、小林健一、佐藤真弓、辻修、高木珠里、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二、伊藤修子、植木夏十、柚木幹斗、千葉雅子
ウチソバに続いてシリーウォークプロデュースによるナイロンの旧作再演の第二弾。オリジナルをみたことがないのでわからないが、たぶんかなり忠実だったのではないかと思われる。
フリドニアという海沿いの町を舞台にした幻想的なブラックコメディ。その町には、海から薔薇の匂いが漂うと、神が訪れ、数日後また同じ匂いがしたときに帰ってゆくという伝説がある。ただし、神が訪れているといわれる間に起きるのは、毎回血なまぐさい事件なのだった。
この作品の続編というか、同じようにフリドニアという町を舞台にした『薔薇と大砲~フリドニア日記#2~』は詰め込みすぎという印象だったのだけど、今回はセリフの端々にほとばしるケラの才気というものが感じられた。
ラスト間際でわざわざ回想という形で時間をさかのぼらせてまで見せているできごとが、見せるほどもないような気がして、だれるのがちょっと欠点だが、それ以外は役者を含めてすばらしかった。