ナイロン100℃『すべての犬は天国へ行く』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/下北沢本多劇場/指定席4500円/2001-04-13 19:30/★★

出演:犬山犬子、峯村リエ、松永玲子、今江冬子、長田奈麻、澤田由紀子、新谷真弓、杉山薫、村岡希美、安沢千草、明星真由美、横町慶子、森野文子、戸川純

ぼくの前の席に座ったのは何と片桐はいりだった。ぼくの席は後ろから二番目という悪い席だったので、彼女も招待されたわけではなく自分で買ったということなのだろう。女性だけしか出てこない西部劇。村の男たちは殺し合いの果てに全員死んでしまった。残された女たちはそのことを認めようとせず、「この村は平和だ」という幻想にすがって生きている。しかし、まだまだ殺し合いは続く。意味もなく次から次へ人が死んでいく…。長かった。休憩の15分間を含めると、3時間。その3時間立ち上がらずずっと座っていたので、終わりの方は腰が痛いし、脚ががくがくしてきた。あと、西部劇なので、当然といえば当然だが、銃声が頻繁に鳴り響く。ぼくはあれが大の苦手で、わかっていても体がびくりと反応してしまう…。というぼくの方の事情があったが、客観的にみても、人が死んでいくだけのストーリーは単調だったし、ギャグの密度も薄かった。でも、夫のボレーロになりきったキキが保安官の娘クローディアを口説くせりふなど、いくつか演劇的にすばらしいシーンがあった。ところで、今回の舞台に戸川純が参加していたが、ところどころで歌を歌う狂言回し的な役だった。やはり、彼女の本職は歌手ということか。