ナイロン100℃『世田谷カフカ』

ナイロン100℃『世田谷カフカ』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/下北沢本多劇場/指定席6800円/2009-10-10 18:00/★★★★

出演:三宅弘城、村岡希美、植木夏十、長田奈麻、廣川三憲、新谷真弓、安澤千草、藤田秀世、皆戸麻衣、喜安浩平、吉増裕士、杉山薫、眼鏡太郎、廻飛雄、柚木幹斗、猪岐英人、水野顕子、菊地明香、白石遥、野部友視、田村健太郎、斉木茉奈、田仲祐希、伊与顕二、森田完、中村靖日、横町慶子

ケラリーノ・サンドロヴィッチがカフカをメインモチーフとしてとりあげるのはこれで2回目。1度目はカフカの半生を描いたが、今回はカフカが遺した3つの長編小説(といってもそのうちの2つは未完だが)『審判』、『城』、『失踪者』の主人公たちが、小説の世界から逃げ出して「世田谷」という架空の町にやってくるという物語を主軸に、その内外でさまざまなスラプスティックなエピソードがからみあってくる。

最近のナイロンはウェルメイドな芝居が増えてきて、それはそれで嫌いじゃなかったが、この作品では久しぶりにナイロン本来のスラプスティックな笑いとラジカルな実験精神が復活。大いに楽しませてもらった。

特に、幕開きからオープニングのダンスまでの展開のシュールさは、鳥肌がたつほどすばらしかった。