劇団、本谷有希子『偏路』

劇団、本谷有希子『偏路』

作・演出:本谷有希子/紀伊國屋ホール/指定席5000円/2007-12-15 19:00/★★

出演:近藤芳正、馬渕英俚可、池谷のぶえ、加藤啓、江口のりこ、吉本菜穂子

女優になる夢を諦めて東京から故郷に帰ってこようとする28歳の女性。彼女は夢のために犠牲を強いてきた父親にそのことを切り出せないまま、昔苦手だったアットホームな雰囲気の親戚の家に一緒にやってくる。それで自分が田舎生活に順応できるかどうか確認しようというのだ。機会をとらえてようやく彼女が実家に帰る話を切り出すと、父親はそれなら自分が代わりに東京に出て行くという……。

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』と若干似ているシチュエーションだが、今回は破天荒な父娘の関係を中心にしたホームドラマに仕立てている。一度とてもまとまりのいい感じで終わらせるチャンスがあったのにそうしなかったのは、本谷有希子のこのテーマに対する思い入れのせいかもしれない。永久に続くどうどうめぐりのような葛藤。それが若干完成度をそいでいるような気もしたのだけど、でもそれこそが彼女にとってのリアリティなのだろう。