『死ぬまでの短い時間』

『死ぬまでの短い時間』

作・演出:岩松了/ベニサン・ピット/指定席7500円/2007-12-08 19:00/★★

出演:北村一輝、秋山菜津子、田中圭、古澤裕介、内田慈

音楽劇というふれこみでバンドの生演奏がついていたのだけど、どうにも好きになれない音楽で、音楽で舞台上の流れが中断することを含めてそれがなければどんなにかよかっただろうと思わせることしきりだった。

自殺志願者をうってつけの死に場所の崖まで運ぶことで世間から非難を浴びているタクシー運転手、殺人を犯して東京から逃げてきた女、運転手のファン気取りの若い男、ダンサーの若い女、彼女にしつこくつきまとう男。この5人が絡み合う、一種の不条理劇だ。ここでは生と死は紙一重で自分がどちら側にいるのかはっきりとわからない。それを確かめるかのように言葉を投げ合うが、それをきくのが生者なのか死者なのかもまたわからない。岩松了らしい、いいセリフ回しがいくつもあったので、なおさら音楽の邪魔がうらめしかった。