『犯さん哉』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/パルコ劇場/指定席8500円/2007-10-13 18:00/★★

出演:古田新太、中越典子、犬山イヌコ、姜暢雄、大倉孝二、八十田勇一、入江雅人、山西惇

純粋におもしろくて楽しめたのだが、ちょっと悔しい気がする。

「古田新太」という小説家志望の男の少年時代から老年までの挫折に満ちた人生を、スラプスティックに描く(ちなみにヒロイン(?)の役名も「中越典子」そのままで、そこからして手抜き感があふれている)。

途中からストーリーはどうでもよくなってしまったし(そのこと自体は必ずしも悪いことではなく、それをネタにしてしまうところはかえって笑えたが)、終盤は反射神経的な笑いに逃げ込んでしまっていた。たぶん、ケラリーノ・サンドロヴィッチの経験とセンスをもってすればこれくらいのレベルのものは簡単に作れるのだと思う。その安易さと、それでも十分おもしろいところが悔しい。