ナイロン100℃『カラフルメリィでオハヨ~いつもの軽い致命傷の朝~』
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/本多劇場/指5800円/2006-04-21 19:30/★★★★
出演:みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、大倉孝二、峯村リエ、廣川三憲、村岡希美、安澤千草、喜安浩平、植木夏十、眼鏡太郎、廻飛雄、馬淵英俚可、三上市朗、小松和重、市川しんぺー、山崎一
認知症の老人をめぐるホームドラマと、老人の奇妙な幻想の世界がオーバーラップする物語だ。
ナイロンをみはじめたのは『フローズンビーチ』以降なので、カラフリメリィはビデオでみたことがあるきりだ。しかもそのときの記憶もいい感じに薄れてきて、今が見頃という感じだった。実際、少し重たい感動ものという印象が残っていたのだが、生でみてとても軽快な芝居だということがわかった。
岸田戯曲賞をとった『フローズンビーチ』もいいが、やはりケラの最高傑作はこちらのカラフルメリィのような気がする。「祖父」がカラフルメリィと出会ったときのことを独白するシーンはとにかく美しく、すばらしい。そこだけ何度でもみたいくらいだ。
ただひとつ3時間という長さだけが玉に瑕で、外に出たら店はあらかた閉まっていて、開いているのは飲み屋ばかりだった。金曜日の終電近くの電車はつらい。