ナイロン100℃『2番目、或いは3番目』

ナイロン100℃『2番目、或いは3番目』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/本多劇場/指定席6800円/2010-07-17 19:00/★★

出演:峯村リエ、緒川たまき、マギー、三宅弘城、小出恵介、犬山イヌコ、松永玲子、大倉孝二、長田奈麻、みのすけ、村岡希美、谷村美月、伊予顕二、白石遥、斉木茉奈、喜安浩平、藤田秀世

とてつもない災害が起きて、大多数の人が亡くなった国が舞台。ある町の5人はそれぞれの悲しみをかかえながら、国による復興を待つ間、より困窮した他の町の手助けをしようと旅立つ。そして彼らはある一風変わった町にたどりつく。町の住人のうち誰ひとりとして町の名前を知らず、悲惨な状況にもかかわらず笑いがあふれていた……。

休憩挟んで3時間半の長丁場。ギャグのキレはいつもながらにすばらしく、長さを感じさせなかった。特に老人役の大倉孝二は登場するだけで笑ってしまった。だが、ちょっと物足りなさを感じたのも確か。あっと一歩のところで琴線に触れない。特定の人物にスポットライトがあたるのではなく、群像劇的に物語が展開し、それぞれのエピソードの間に関連性が少ないのも、ひとつひとつが薄く表面的に感じられてしまった。何かひとつ核となるようなエピソードがほしかったかな。

と苦言を書いてしまったが、「よくできた」芝居には違いない。ただ、ナイロンの舞台には、どうしても「よくできた」以上の水準を求めてしまうのだ。