ナイロン100℃『江戸時代の思い出』
ナイロン30周年記念公演の第2弾とのことで実際31年周年だがそこがナイロンらしい。自分がそのうち25年間みてきたことにびっくりだ。
江戸時代の峠の茶屋みたいなところで二人の男がすれちがい、そのうちのひとり町人の風体の武士之介が武士の風体の人良に自分の思い出話を無理やり聞かせようとする。最初に語られるのはなぜか未来と思しき思い出で、現代の服装をした男女4人がタイムカプセルを掘り返そうとしている。しかしタイムカプセルは見つからず人間の手足や脳みそが掘り出される……。というのが第一部で、第二部は江戸時代に戻って疫病と飢饉の時代の思い出、休憩を挟んで第3部は、頭の部分が臀部のケツ侍があらわれ最後はバッドエンドと思いきや第4部で唐突にあらわれた救世主がみんなを蘇らせまさにデウス・エクス・マキナだった。
前半はどこに連れていかれるかわからない浮遊感があって強烈におもしろかった。後半はそれに比べると伏線回収や感情面でのバランス調整に時間をとられてしまった感があった。それなしでも観客はついてきてくれたんじゃないかなと思う。あるいは前半と後半を入れ替えてもよかったかもしれない。
後半も決して悪くないのだが、前半の展開が素晴らしすぎた。
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/本多劇場/指定席7600円/2024-07-13 18:30/★★★
出演:三宅弘城、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、大倉孝二、松永玲子、藤田秀世、喜安浩平、眼鏡太郎、猪俣三四郎、水野小論、伊与勢我無、木乃江祐希、池田成志、坂井真紀、奥菜恵、山西惇