M&Oplaysプロデュース『そして春になった』
例によってまったく予備知識のないままみたので、出演者の欄に名前を連ねていた松雪泰子さんがでてこないまま1時間足らずで終わってしまって謎だったが、実はAキャスト、Bキャストみたいに分かれていて、ぼくのみた方には登場しないのだった。
二人の出演者による朗読劇。ある映画監督の妻と、愛人の女優という役回りで、会話ではなく、リアルタイムの往復書簡みたいな語り口で進行していて、複雑な感情の機微が、詩的なセリフの中から浮かび上がってくる。日本でこういうセリフを書けるのは岩松了だけだ。是非、台本を読みたい。
朗読劇だけあって舞台装置は椅子とテーブルだけで簡素だが、後半のクライマックスで背景の空間が効果的に使われる。そういう演出もよかった。
今回は、片桐はいり、瀧内公美のバージョンで、お二方ともとてもよかったが、松雪泰子、ソニンのバージョンもみてみたかった。
作・演出:岩松了/本多劇場/指定席5500円/2020-12-12 18:00/★★★
出演:片桐はいり、瀧内公美