シスカンパニー『LIFE LIFE LIFE 〜人生の3つのバージョン〜
なんと2ヶ月ぶりの観劇。コクーンの舞台と座席の配置が大幅に変えられて、舞台が真ん中でその周囲に座席がとりまくように配置される、今はなき青山円形劇場のようになっていた。
宇宙物理学者のアンリとその妻の元弁護士のキャリアウーマン、ソニアが夜子どもを寝かしつけようとしていると、明日来るはずのアンリの上司夫妻ユベールとイネスが夕食を共にするためやってくる。チョコやチーズだけの食事、アンリが執筆している論文に類似した論文の存在、ユベールのソニアに対する誘惑、なかなか眠らず食べ物を要求する子どもなどいろいろな出来事が積み重なる。
という同じ状況の、微妙に起きる出来事や発せられる言葉のニュアンスが異なる3つのバージョンが提示される。
深遠な宇宙と卑小な生活、成功のなかの憂鬱とそれを癒す穏やかな愛情、笑いのなかにふと人生を垣間見させてくれる、フランス映画みたいな作品だった。
作:ヤスミナ・レザ、上演台本、演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/シアターコクーン/S席10000円/2019-04-06 18:00/★★★
出演:大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則、(声:新谷真弓)