野田地図『贋作桜の森の満開の下』
坂口安吾の作品をベースにした、夢の遊民社時代から上演している野田秀樹の代表作だが、初見。予備知識なしでみた。
みたあとにいろいろ知識を仕入れたのだが、「贋作」とはいうものの、坂口安吾の作品『耳男と夜長姫』にかなり密接に基づいている。そこにタイトルになっている『贋作桜の森の満開の下』から山賊、鬼などの要素が移入され、さらに安吾のエッセイからヒダの国と大海人皇子のエピソードが引用されている。
いろいろてんこ盛りで、セリフの密度も濃いので(聞き取れないことも多かった)、正直、みている間はすごさを頭で理解できたものの、ちゃんとついていけてなかった。あとからじわじわきた感じだ。
そんな中、深津絵里さんの繰り出すさまざま声音には凍りつくような迫力があった。カーテンコールが4回ある芝居は久しぶりだった。
作・演出:野田秀樹/東京芸術劇場プレイハウス/S席10000円/2018-09-01 19:00/★★★
出演:妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太、秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、村岡希美、門脇麦、池田成志、銀粉蝶、野田秀樹,池田遼、石川詩織、織田圭祐、上村聡、川原田樹、近藤彩香、城俊彦、末冨真由、手代木花野、橋爪溪、花島令、藤井咲友里、松本誠、的場祐太、茂手木桜子、吉田朋弘、大川裕史