竹中直人の会『水の戯れ』

作・演出:岩松了/下北沢本多劇場/指定席4000円/1998-12-26 19:00/★★★★

出演:竹中直人、樋口可南子、串田和美、李丹、尾美としのり、川津春、岩松了

この日ぼくは熱があって(帰宅してはかったら38℃)、ひどい寒気がしたのだが、重い体をひきずって、なんとか劇場にたどりついた。シートに体を埋めるようにして、夢見心地で舞台を見つめた。死んだ弟の妻(樋口可南子)に恋する男(竹中直人)の物語。こういった話では、たいてい結ばれずにおわるものなのだが、今回は思いが遂げられる。男がその喜びを長兄(串田和美)と分かち合うシーンがとてもいい。しかし、最後に待っているのは悲劇だ。響き渡る拳銃の音が、病んだぼくの体を震わせた。警官役の尾美としのりがとてもよかった。