岩松了3本連続公演『センター街』
作・演出:岩松了、演出:倉持裕/ザ・スズナリ/指3500円(3本セット10000円)/2005-06-02 19:00/★★★
出演:伊藤正之、谷川昭一朗、長田奈麻、加藤啓、玉置孝匡、ぼくもとさきこ、町田マリー、ノゾエ征爾、富岡晃一郎、粕谷吉洋、佐藤銀平、太田緑・ロランス、羽柴真希、北川智子
渋谷のセンター街にある、取り壊しを待つばかりの3階建ての店舗跡に街からあぶれた人々が集う。複雑な人間関係を把握するためにかなり集中力が要求される。階上に住み売春で生計をたてている春子、彼女の娘しのぶ、春子の常連客でありすぐそばで畳屋を経営する尾崎、彼の息子竜二(通称ヘルディナン)、店のかつての経営者の娘のりこ、元従業員関口、尾崎の友人であり春子の客として訪ねてきた舟木、舟木の義理の妹冴子、階上でハチ公の彫刻を彫っている元漫才師、近所の喫茶店から差し入れにきてくれるウェイター佐久間、交番勤務でありながら自ら「機能していない」という巡査清水、しのぶの友人ミイコと真木、乞食まがいの生活をしている手塚。
いつも以上に岩松了らしさのあふれるセリフ全開という感じで、脚本はすばらしかったのだが、そのセリフと何人かの役者とのミスマッチを感じてしまった。力量の問題ではなく、岩松了の場合、役者を選んでしまうところがある。なんでこの人はこんなややこしいことをいうのだろうという不自然さを、リアルな存在感(その人が確かにそこに存在しているという事実)によって圧倒する必要があるのだ。
どういうわけかスズナリといえば雨。今日もまた雨が降っていた。