ホエイ『喫茶ティファニー』

まったく予備知識なしに見たので地方の、時代から取り残された喫茶店の話かと思ったら、舞台はどうやら川崎。マルチの勧誘シーンがでてきて一瞬今回はそっちの話かと思わせるが、実は日本に昔からはびこってかえって最近また復活してさえいる民族差別がテーマなのだった。川崎臨海部あたりの在日の人た...

ホエイ『スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア』

青年団リンクがとれて独立した最初の公演。2014年の再演らしい。 僻地の中学校の教室でおきるオカルト的な騒動。演出や俳優陣のがんばりもあってテンションがあがりとてもおもしろかった。 女性教師の設定が特異だ。ネットで妄想にかぶれている人の脳内のみ存在するような左翼教師という設定。実際に...

青年団リンク ホエイ 『郷愁の丘 ロマントピア』

北海道三部作の第三作。幕末の蝦夷警備、戦争中の火山誕生ときて、今回は現代の夕張市内大夕張と呼ばれる地域を舞台にしている。大夕張はかつて炭坑で栄えたが、数十人の人命を奪う事故に続いて炭坑は閉山し、結局ダム開発で町は水没してしまう。 ダムを見下ろす高台の駐車場。そこにはかつて町にあった...

青年団リンクホエイ『小竹物語』

夏らしく怪談がテーマ。怪談の語り手のたまごたちがネット中継を試みるという設定(怪談部分は実際にライブ中継されている)。 怪談は内容(半分以上著作権者の許可を受けての怪談本からの借用とのこと)も、各演者のキャラづけと語り口もほんとうにおもしろかった。それに比べると外側の、演者間の人間...

青年団リンク ホエイ『麦とクシャミ』

『雲の脂』、『珈琲法要』ときてホエイをみるのは3作目だが、今回が一番おもしろかった。 太平洋戦争の戦況が厳しさを増す1944年、北海道の麦畑が広がる平野に突然火山が隆起した史実(当初はその事実は機密とされ、のちに昭和新山と呼ばれる)に題材をとった作品だ。見る前は、話題の映画シン・ゴ...

青年団リンク ホエイ『珈琲法要』

史実に基づいた物語。 19世紀初頭江戸幕府の封建鎖国体制が続く日本に対してロシアは開国を求めて度々南下してきていた。そこで幕府は弘前藩に命じて藩士、領民を動員して蝦夷地の警護に当たらせる。ロシアからの攻撃はまったくなかったが、寒さと栄養失調により彼らは次々と病に斃れてゆき、7割以上...

劇団野の上『東京アレルギー』

野の上ははじめてで、「の」の上だから「ね」かなとわけのわからないことを思っていたが、実はこの間みたホエイ『雲の脂』と作・演出の人が同じだった。野の上は津軽に本拠を置く劇団で俳優陣も津軽在住の人が多いそうだが、今回はオール東京キャストで限りなくホエイに近い気がする。ただ、舞台で話さ...

青年団リンク ホエイ『雲の脂』

過疎が進んだ地域の海に面した神社が舞台。氏子の減少で、最近では捨てるに捨てられない不要になった宗教的な遺物をひきとるサービスをして糊口をしのいでいた。そんなある日海岸に一番近い鳥居が倒壊し、それから徐々に境内が崩落していき、白鳥たちが血を吐いて死ぬなどということが起きる。まるでこ...