猫のホテル『イメチェン〜服従するは我にあり〜』

猫のホテル『イメチェン〜服従するは我にあり〜』

作:千葉雅子、演出、脚色:福原充則/ザ・スズナリ/指定席4500円/2010-12-18 19:00/★★

出演:千葉雅子、中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺー、佐藤真弓、池田鉄洋、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二

思えば猫のホテルとしての公演は2年半ぶり。今回の公演も旧作の再演(ぼくは初見)で、演出を外部の人にまかせていることから、劇団としての求心力はもうなくなっているんだろうと思う。今後もこういう形で数年に一回のペースで公演がある感じなんだろう。

田中角栄の半生をモデルにした物語。たたきあげの土建屋の社長が政治の世界に進出し、権力の階段をのぼっていくが、あと一歩のところで、スキャンダルにつぶされてしまう。

外部から迎えた福原充則の演出は、狭い劇場の中で水を多用したり、客席に紙吹雪を大量にふらせたりと、小劇場のギリギリラインをねらうようなところが新鮮だった。役者はメンバー全員参加で、芸達者な人ばかりが集まっているだけあって、さすがにおもしろかった。特に主人公の丸岡を演じた中村まことは、こういう男くさい役柄がほんとうにはまる。男の色気を感じた。