『アジアの女』
富田靖子主演、作の長塚圭史本人による演出による初演の舞台を2006年にみているが。すっかり内容を忘れていた。
地震で壊滅状態の東京が舞台。余震におびえながら復興は遅々として進まない。食糧や生活必需品は配給になり不足状態が続き。自警団と称する団体による外国人に対するヘイトや暴力が横行する。今思うと、あの頃は絵空事だったが、東日本大震災を経験し台風16号通過後の千葉の惨状みた今、とてもリアルに感じた。予言的な作品といっていいかもしれない。
ストーリーは同じだが初演のとき思ったことに付け加えると、心を病んでいるのは麻希子だけでなく晃郎、一ノ瀬も同様で、今回それが強調されていたように感じた。
チケットをとるのが遅れてしまったのだけど、中二階の思ったより近くのみられてラッキーだった。初舞台という石原さとみは、なんというかナチュラルだ。初めて気づいたけど石原さとみと富田靖子は似ている。富田靖子がそこにいるように感じた瞬間もあった。カーテンコールの満面の笑顔が印象的で、なにより彼女がこの場を目一杯楽しんでいることがよくわかった。他のキャストもすばらしかった。
作:長塚圭史、演出:吉田鋼太郎/シアターコクーン/S席9800円/2019-09-28 18:00/★★★★
出演:石原さとみ、山内圭哉、矢本悠馬、水口早香、吉田鋼太郎