M&Oplaysプロデュース『二度目の夏』

二度目の夏

これまでベテラン俳優を使って数々のメロドラマを作りあげてきた岩松了が今回は20代主体の若手キャストで挑む。

染色会社の二代目社長の田宮慎一郎は結婚して一年の妻いずみや従業員たちと別荘に避暑に来ていたが、急な仕事が入り、いずみの相手をさせるため後輩の北島を呼ぶ。周囲の噂になる二人に対し、慎一郎はむしろ噂や忠告をする者たちを責める。

漱石の『行人』的なモチーフだ。慎一郎はいずみと向き合うことを避けている。お互いの愛情に信頼感をもてないのだ(劇中でははっきり描かれてないが性的に問題があるのかもしれない)。そこに貴的な北島を媒介として入れようとするのだが、彼自身にも自分の目的が何かがわかっておらず、苦悩する。慎一郎のその感情の一因に両親の不和がある。その過去と現在が交錯する。

東出昌大の背の高さと頭身に驚いた。若手役者陣みんないいけど、特に仲野太賀と清水葉月がよかった。ふたりとも舞台慣れしている。そしてさすがベテラン。片桐はいりには場を支配するパワーがある。

作・演出:岩松了/本多劇場/指定席7000円/2019-07-20 19:00/★★★

出捐:東出昌大、仲野太賀、水上京香、清水葉月、菅原英二、岩松了、片桐はいり