『シェイクスピア・ソナタ』
作・演出:岩松了/パルコ劇場/指定席9000円/2007-09-01 19:00/★★★
出演:松本幸四郎、高橋克実、緒川たまき、松本紀保、長谷川博己、豊原功補、岩松了、伊藤蘭
シェークスピア作品をレパートリーに持つ劇団。座長は妻の死の半年後に劇団の若い女優と再婚した。亡き妻の実家の酒蔵で毎年催される公演。亡き妻の父であり劇団のパトロンである会長は、出先から戻ってこない。彼らの結婚を許してくれているのかどうか気にする二人。そこに、亡き妻の妹と劇団員の不倫問題、酒蔵の経営問題がからんでくる……。
劇団は四日間でシェークスピアの四大悲劇、『マクベス』、『ハムレット』、『オセロ』、『リア王』を上演する。一日が一幕に対応し、それぞれの劇の内容がストーリー展開にからんでくる。ただし、舞台で繰り広げられるのは悲劇でなく喜劇で、かなり笑える。「ハムレットはオフィーリアを愛していたんだろうか」という質問に対して「誰がオフィーリアかによる」というのはほんとうに傑作だ。
最後にちょっと事件が起きるが、悲劇のような運命的な出来事でなく、偶発的な出来事なので、それもまた喜劇の一環だ。ただ、それは笑えない。