『終点 まさゆめ』

今年初観劇。 安楽な老後生活が送れるという惑星《まさゆめ》に宇宙船で向かう船長一人と乗客7人。ところが事故で燃料が流失し1人を放出しなければいけなくなり、まさゆめの生活でで一番役に立たない人を民主的に話し合いと投票で決めることになる。 ...

『inseparable 変半身(かわりみ)』

村田沙耶香と松井周の共同原案。村田沙耶香の小説も発売されたそうだが、舞台となる離島・千久世島の設定だけ共有していて、登場人物もストーリーもまったく別物のようだ。 ...

『ビビを見た!』

あれ、主人公はビビという名前じゃないんだというのが第一印象。それもそのはず。タイトルは『ビビは見た!』ではなく『ビビを見た!』だった。誰が見たかというと、ホタルという生まれつき盲目の少年。彼は謎の声により7時間だけ視力を与えられる。その代わりそれ以外の人々から視覚が失われ、折しも「敵」という謎の存在が街に近づいて大パニックが発生する。 ...

サンプル『グッド・デス・バイブレーション考』

劇団が解散し松井周さんのひとりユニットになって初のサンプル公演。といっても観客からすると大きな違いはない。 あらゆるディストピアの要素を詰め込んだような近未来。恋愛、歌、文字の読み書き、夢を語ること、思想は禁止。しばらく前まで禁止で国家が決めたマッチングパートナーとの人工授精で子どもを産んでいたが、今では野良セックスで生まれた子どもは国家が買い上げ遺伝子の実験に使われている。食糧は慢性的に不足し、一定年齢を越えた老人は「船出」と称して自発的な死を強いられている。 ...

サンプル『ブリッジ』

1月にやっていたワークインプログレスの本公演。続編かと思ったが、登場人物や設定はほぼ共通しているものの、前作で古屋隆太が演じ最後に死を遂げるドクターという教祖的なキャラクターの存在がなかったことにされ、そのかわりに古舘寛治が演じるジョージというまったく別のキャラクターが教祖になっている(古舘さんはすっかりテレビで活躍する名バイプレーヤーになってしまい、サンプルへの出演はほんとうに久しぶりだ)。よく似た別の平行世界の物語という感じだ。 コスモオルガン協会というカルト団体主宰のイベント会場が舞台で観客はその参加者という体なのは共通している。だが、前作はイベントであるということを貫徹して、自分がほんとうにイベント参加者のような気がしていたたまれなくなってしまい、自分が演劇をみてきているということを思い出す必要があったが、今回は最初イベントからはじまるが、過去の身の上話や未来の神話的な物語になって、あれっと疑問に思うが、実はそれもイベントの一部という設定なのだ。つねにイベントだということを思い出す必要があるのが対照的でおもしろい。両方みた人にだけわかることだが。 ...

サンプル『ブリッジ 〜モツ宇宙へのいざない〜』

松の内の意味がよくわからないけど松の内が開けて今年初の観劇。6月に本公演の作品のワーク・イン・プログレスだそうだ。 人は誰も自分の腸にモツ宇宙を持ちやがて腸から裏返って人間を超えた存在になることができるという教義をもつユニークな新興宗教のセミナーという体で舞台は進行する。観客はそのセミナーに聴衆として参加している一般客ということになっている。 ...

『ルーツ』

古細菌の研究者である小野寺は古細菌が生息するといわれる鉱山に赴くため鳴瀬という過疎の集落を訪ねる。鉱山は数十年前に鉱毒のため廃山となり、住民は差別にさらされひっそりと暮らしてきた。小野寺は最初拒絶されるが、徐々に村に溶け込み、古細菌研究は村発展のための希望とみなされる。しかし、小野寺はこの村の触れてはいけない謎に気がついてしまう。 ...

サンプル『離陸』

兄が弟に、妻と一緒に一晩過ごしてその夜起きたことを逐一漏らさず報告してほしいと依頼する。夏目漱石の『行人』から借りてきたシチュエーションだが、舞台は現代だし登場人物ひとりひとりの個性が際立っている。兄はもともとパフォーミングアーティストで今は大学で教えている。とても繊細で傷つきやすい人間だ。妻は元彼の教え子だった。奔放だが自分を空っぽだと思っていて外から来るものを拒まない。弟はフリーターで現在無職。小説家志望で一つの職を長く続けることができない。倒れた母の介護のために三人は一緒に暮らすことになる。夫婦の間には通常の性的関係はない(代わりに二人で奇妙なパフォーマンスを行う)。兄は女性に性的興味を持てないのだ。兄と弟の間にはホモセクシャルな愛情がある。 ...

サンプル『蒲団と達磨』

ほんとうは先週見るはずだったのだが、仕事のトラブルでチケットをふいにして、再チャレンジした。 岩松了の1989年の戯曲だ。娘の結婚式の日の夜、畳に蒲団が二組敷かれた古い日本家屋の夫婦の部屋。いかにも小津映画的なシチュエーションだが、登場人物やその間の関係性はかなり異形だ。夫は謹厳な高校教師だが性的な欲望が強い。若い後妻である妻はその欲望を受けとめきれず落ち着ける居場所を求めてアパートを借りようとしている。そういう緊張感をはらむ夫婦の寝室にいれかわりたちかわり奇妙な人々が訪れる。体調を崩したバスの運転手、不安定で共依存的な妻の弟夫婦、近くのアパートにひとりで暮らす夫の妹、住み込みの家政婦、近所の飲み友達、そして妻の前夫。 ...

サンプル『ファーム』

遺伝子操作で生まれたきたオレンジという10歳の少年。操作のミスで成長が速くなってしまいもう外見も思考も大人だ。それをいかして臓器細胞を身体に移植して成長させる「ファーム」という役割を引き受けている。彼を中心に、科学者で家庭を放棄した父親、離婚しようとする母親、そのパート先のスーパーの店長、店長がはまっている自己啓発系バーのママ、オレンジに死んだ犬の目をファームしている老女などおかしな人間模様が描かれる。 ...

サンプル『永い遠足』

これまでのサンプルの作品はすべてこの作品への布石だったのかもしれない。そう思わせるような最高傑作。 生みの母を妻にして子供までつくってしまうオイディプス王のギリシア悲劇をベースに、血のつながらない娘との関係に悩む家族、桃太郎と名乗る妙なカリスマのある男、電脳空間をかけめぐる仮想人格マネキン、新天地を夢見るバイオ実験から生まれた知性のあるネズミなど、現代社会のアクチュアリティーとSF的な想像力を取り入れて新しい神話を紡ぎだしている。 ...

サンプル+青年団『地下室』

サンプル旗揚げ前の松井周作品の再演。 舞台はおいしい水がヒット商品である自然食品ショップの地下室。水は店長の「息子」森男しか作ることができず、その製法には秘密があった。実は息子といっても血はつながっておらず、スタッフはほぼ全員性的関係を含めた擬似家族的な紐帯でつながっていて、一種カルト化しているのだった。新しい女性従業員の加入が原因で森男が水を作れなくなってしまったことから、この集団は崩壊へと向かっていく……。 ...

サンプル『女王の器』

作・演出:松井周/川崎市アートセンター アルテリオ小劇場/自由席3500円/2012-02-25 19:00/★★★ 出演:古舘寛治、古屋隆太、奥田洋平、野津あおい、岩瀬亮、羽場睦子、稲継美保、川面千晶、菊池明明、とみやまあゆみ、師岡広明 ...

サンプル『ゲヘナにて』

作・演出:松井周/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席3000円/2011-07-02 19:00/★ 出演:古舘寛治、奥田洋平、羽場睦子、古屋隆太、辻美奈子、渡辺香奈、野津あおい、岩瀬亮 ...

サンプル『自慢の息子』

作・演出:松井周/アトリエヘリコプター/自由席3000円/2010-09-20 19:00/★★ 出演:羽場睦子、古舘寛治、古屋隆太、奥田洋平、野津あおい、兵藤公美 ...

北九州芸術劇場プロデュース『ハコブネ』

作・演出:松井周/あうるすぽっと/自由席3000円/2010-03-06 14:00/★★ 出演:今村妙子、加賀田浩二、木村健二、古賀陽子、篠原美貴、白石萌、上瀧征宏、高野桂子、田口美穂、田中克美、谷村純一、寺田剛史、中嶋さと、波田尚志、藤尾加代子、細木直子、宮脇にじ、古舘寛治、古屋隆太 ...

サンプル『あの人の世界』

作・演出:松井周/東京芸術劇場小ホール1/自由席3500円/2009-11-14 19:30/★★ 出演:古舘寛治、石橋志保、田中佑弥、深谷由梨香、芝博文、辻美奈子(ヴィデオ出演)、古屋隆太、奥田洋平、渡辺香奈、善積元、山崎ルキノ、羽場睦子 ...

サンプル『通過』

作、演出:松井周/三鷹市芸術文化センター星のホール/指定席3000円/2009-05-23 19:00/★★★★ 出演:辻美奈子、古舘寛治、 古屋隆太、羽場睦子、吉田 亮、野津あおい、坂口辰平、奥田洋平、山村崇子 ...

サンプル『伝記』

作・演出:松井周/こまばアゴラ劇場/自由席3000円/2009-01-17 18:30/★★★ 出演:辻 美奈子、古舘寛治、羽場睦子、申瑞季、中村真生、石澤彩美、吉田亮、三橋良平、金子岳憲、黒田大輔 ...

サンプル『家族の肖像』

作・演出:松井周/アトリエヘリコプター/自由席2500円/2008-08-23 19:00/★★★ 出演:羽場睦子、古舘寛治、成田亜佑美、岡部たかし、西田摩耶、古屋隆太、野津あおい、村上聡一、辻美奈子、木引優子、中川鳶、江原大介 ...