ままごと『わたしの星』

わたしの星

英語にすると名作『わが星』と同じになってしまうが、その変奏曲だ。使われている音楽と宇宙と人間というテーマは共通で、出演者全員現役高校生(一人をのぞいて女子)、スタッフにも高校生参加というコンセプトで作られた舞台だ。

地球が高温化で住めなくなりつつあり、人類が火星に移住する未来。地球に残った数名の高校生たちが文化祭の出し物の練習をしているというシチュエーション。そこにかぶさる別れと出会い。

『わが星』は人の一生を星の一生になぞらえた作品だけど、『わたしの星』はその歴史の一瞬を切り取っていて、文化祭の出し物として『わが星』のテーマが反復されている。火星がいずれ地球と呼ばれるかもしれなくて、この地球も元々は別の名前だったかもしれないというところはじんとくるものがあった。高校生たち(プロとして活躍している人もいたが)の演技新鮮でよかった。

柴幸男の描くのはいつも、故郷、家族、学校(どれも一昔前には抑圧の対象としてみなされがちだったものだが)、そしてこの地球と宇宙に対する郷愁だな、としみじみ思った。

作・演出:柴幸男/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席2500円/2014-08-23 19:00/★★★

出演:生駒元輝、坂本彩音、佐藤まい、西片愛夏、西田心、札内茜梨、山田奈々緒、吉田圭織、吉田恵、吉永夏帆