イキウメ『The Library of Life まとめ*図書館的人生 ㊤』

開演直前に大きめの地震というハプニング。そのあと芝居の中にも大きな地震のシーンが出てくるというシンクロニシティー。

イキウメをみはじめて日が浅いので受け売りだが、『図書館的人生』というのは数編の短いストーリーをつなげたオムニバス作品のシリーズでこれまでに3作品上演されている。今回は2回にわけて上演されるその総集編の第一弾。

病院に集まった人々が地震のあと建物ごと見知らぬ世界にとばされる。過去、未来の輪廻した自分の視点で世界をのぞけるマシン。自殺しようとする女の前にあらわれた謎の二人組の男。賽の河原にやってきた亡者4人が、次のステージに進むため奪衣婆と鬼の監督のもと箱をつみあげる。感情が表情でなく不随意な身体の動きになってしまう男、しかも新婚。万引きをなりわいとする男の美学。という6つのストーリーが交錯しながらすすんでいく。

SFというより『トワイライトゾーン』、『世にも奇妙な物語』的な物語だ。上質で洗練されて都会的なエンターテインメント。ただおもしろいだけじゃなく、人間の生と死を見通す深みも下味として溶け込んでいる。

役者では安井順平さんがすごい。彼の語りにひきこまれる。

作・演出:前川知大/東京芸術劇場シアターイースト/指定席4200円/2012-11-24 18:00/★★★

出演:浜田信也、盛隆二、岩本幸子、伊勢佳世、森下創、大窪人衛、加茂杏子、安井順平、菊池明明、西山聖了