『アジアの女』

作・演出:長塚圭史/新国立劇場小劇場/A5250円/2006-10-13 19:00/★★★★

出演:岩松了、富田靖子、菅原永二、近藤芳正、峯村リエ

大地震が起きた直後の近未来の東京。廃墟に暮らす兄妹のもとに兄の昔の知り合いの作家一ノ瀬が訪ねてくる。地震をきっかけに精神の病から立ち直りつつある妹、恐怖にとらわれて酒におぼれる兄、自分の才能のなさに向き合うことができない一ノ瀬。

圧巻。重苦しいテーマだが、要所要所にコメディーリリーフがはさまれていて笑わせてくれたし、最初は欠点ばかり目についた登場人物たちに徐々に愛情がもてるようになってきた。ラストは予定調和すぎるきらいがないではないが、ちゃんと抑制がきいたすばらしいエンディングだった。俳優もみんな(なかでも岩松了と近藤芳正が)すばらしかった。