猫のホテル『ウソツキー』
作・演出:千葉雅子/ザ・スズナリ/指3700円/2005-11-05 18:30/★★★
出演: 中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺー、佐藤真弓、池田鉄洋、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二、千葉雅子、久ヶ沢徹
開演時間を間違えていた。15分遅れで、用意してもらった端の席に潜り込んだ。最初のうちぼくだけが物語に入り込めない疎外感にさいなまれたが、少しずつ笑いが身体にしみこんできた。
昭和の語り部といっていいようなネコホテだが、今回はずばり「はっぴいえんど」だ。そういえばチラシもはっぴいえんどのアルバム『風街ろまん』のジャケットがモチーフになっていた。松本隆に相当する役を池田鉄洋が演じている。作詞業に身が入らなくなった彼は山奥の別荘に引きこもって、別れた妻や解散したバンドの記憶にひたっている。現実と回想と幻想の入り交じった中にさまざまな人物が入れ替わり立ち替わりあらわれる。
細野晴臣に相当する役の中村まことがメインで歌う「フラフラ」という曲がとてもいい(どこかで聞くすべはないだろうか)。ラストシーンも今という時間を永遠に焼きつけているという感じでとてもかっこよかった。
今や一番安定して面白い芝居を見せてくれる劇団だが、次回公演は夏とのこと。次回は時間を間違えないようにしよう。