パンケーキ、ホットケーキ

Q

パンケーキとホットケーキの違いは何ですか。広辞苑とかで調べてみたのですが、どうも納得がいきません。特に手作りの場合、それはつくった人の意思、つまり「パンケーキつくろ」と思ってつくったか否かによりますよね。しかもそう思ってつくったのに「このホットケーキうまいじゃん」と言われた日には、どうしたらいいのでしょう。別々の名前である必要はあるんでしょうか??(Poさんからの質問)

A

確かに、広辞苑の説明はわけわからないですね。ホットケーキの方はまだいいです。「小麦粉・牛乳・砂糖・バター・卵・ベーキング‐パウダー・塩などをまぜ合せ、鉄板またはフライパンで円形に焼いた菓子。バター・メープル‐シロップ・蜂蜜などをかけて食する。」と丁寧に説明しています。

ところが、パンケーキのほうは「小麦粉・卵・牛乳などを混ぜ合せ、フライパンで円形に焼いた菓子。ホット‐ケーキ。クレープ。」とホットケーキとほぼ同じもののことを説明していることは明らかですが、材料を省くなど、手をぬいた説明になっています。しかも、最後の「ホットケーキ」は許せるとしても、「クレープ」といわれても、「えっ?」と思ってしまいますよね。

ここから先は想像ですが、おそらく広辞苑には、頭の「あ」から順番に説明を書いていく人と、後ろの「ん」から逆順に書いていく人がいるんだと思います。パンケーキもホットケーキも当然逆順の人の担当です。ホットケーキについて書いているときは、まだ余裕があったので、詳しく説明していたのですが、パンケーキにたどりつくころには疲れ果てていたのでしょう。なにせ間には「平家物語」とか「ヒマラヤ山脈」という疲れそうな言葉がありますから。

〜以下の段落を2013年5月10日に改訂〜

各種英英辞典を調べたところ、基本的に hotcake と pancake には違いはないですが、前者は米国でのみ用いられるアメリカ英語です。このため、オリジナルの形に近いであろう pancake と呼ばれるものと。アメリカで独自の進化をとげた hotcake と呼ばれるものの間には、重なりはあっても、お互いはみだす部分があるのは想像にかたくないところです。よくいわれるのは、pancake が比較的薄くて(クレープくらいの薄さのものも含む)、hotcake が厚いということです。また pancake はバターがたっぷり入っているが hotcake にはほとんど入ってないといわれることもあるようです。(ちなみにpanは食パンのパンではなくフライパンのパンです)。

別々の名前である必要ですが、たとえば「このホットケーキまずい」といわれた場合に「だってパンケーキだもん」といういいわけができます。