Yoyodyne

Q

GPLに企業の著作権放棄書面サンプルが出て来ますが、そのサンプルの社がYoyodyneとなっています。この会社は次の作品に出て来ます。

  1. トマス・ピンチョンの小説『競売ナンバー49の叫び』
  2. アメリカ映画『バッカルーバンザイ』(日本未公開)

Yoyodyneという単語に何か意味があるんでしょうか?SAQネタだと思いましたので投稿しました。(えんどうやすゆきさんの質問)

A

辞書には載っていない単語です。

『競売ナンバー49の叫び』は1966年の作品(偶然ながらぼくの生まれた年です)、『バッカルーバンザイ』は1984年の作品でYoyodyneという会社名のほかにもトマス・ピンチョンを意識したところが見られるようなので(The Pynchon Files参照)、後者が前者から借用したのはまちがいないと思います。

したがって、問題はトマス・ピンチョンがなぜYoyodyneという名前を使ったかということになると思います。その鍵は彼の処女作”V“の中にありました。実はYoyodyneという社名がはじめて登場するのは、この小説のなかなのです。Yoyodyneは"V"の登場人物の一人ブラッディ・チクリッツによって創設された会社です。原書を手に入れたので該当する部分を要約してみます。

1940年代後半、Yoyodyneはチクリッツ玩具会社として子供向けにジャイロスコープを作っていた。潜在的な市場に目をつけたチクリッツにより、やがて、政府を相手にするような巨大企業に成長する。新しく雇われた技術者から"dyne"というのが力の単位だと聞いたチクリッツは、チクリッツ帝国のささやかなはじまりを象徴するため、そして、力、企て、エンジニアリング技術、あらけずりな個人主義という考えをその中にこめるため、社名を"Yoyodyne"と名づけた。

yoyoには「まぬけ」という意味もあるので最初そっちかと思っていましたが、上記の文からすると文字通りヨーヨーのことのようです。最初はヨーヨーを作っていたような小さな玩具会社がここまで成長したということがいいたのでしょう。