城山羊の会『身の引きしまる思い』
二年前この三鷹で上演された『探索』につづいて、また劇場職員の森元さんが前口上およびそれに引き続いて殺される役で登場する。前回は戸惑いが感じられたが今回は楽しんでやっておられるご様子だった。
城山羊の会で一番好きなのは悪夢的なたたみかける不条理さなんだけど、今回はいきなり悪夢のシーンからはじまる。短大生の妙子が熱にうなされて、森元さん演じる父親が拳銃で兄に撃たれる夢をみる。実際には父親は病気で亡くなったのだ。夢からさめても悪夢の要素が入り混じってきてどこまで現実なのかわからないのはよかったが、今回ちょっと悪夢のドライブ感が弱くてもやもやしたまま話が進んでいく。
おわりの方で『ハムレット』がこの劇のベースとして浮かび上がってきたり、KONTAが演じた赤井という男のキャラクター(最後の歌を含めて)で盛り返した。
作・演出:山内ケンジ/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席2700円/2013-12-01 19:30/★★
出演:岸井ゆきの、石橋けい、ふじきみつ彦、成瀬正太郎、原田麻由、岩谷健司、岡部たかし、島田桃依、KONTA、(森元隆樹)