青年団『上野動物園再々々襲撃』
作・演出:平田オリザ(原作:金杉忠男)/シアタートラム/指定席4000円/2001-06-02 19:00/★★★
出演:篠塚祥司、猪股俊明、大塚洋、志賀贋太郎、羽場睦子、大崎由利子、辻美奈子、山内健司、天明留理子、足立誠、和田江理子、松田弘子、安田まり子、谷本進、木崎友紀子、安部聡子、平田陽子、高橋縁
今回は、1997年に亡くなった金杉忠男という人の戯曲を再構成した作品。とはいうものの、おそらく設定やアイデアのみの借用なので、平田作品といっていいだろう。ちなみに、金杉忠男という名前は初耳だった。今回、その金杉氏が主宰していた劇団からも何名か参加している。舞台は葛飾区の四つ木。初老をむかえ、近くに住んでいながらもあまり顔を合わせることのない幼なじみたち。仲間の一人の急死で久しぶりに顔をあわせる。それぞれ問題をかかえる彼らだが、子供のころの連帯感を失ったわけではない。仲間の一人がガンにかかっていると告白したことや、30年ぶりに帰ってきた仲間の存在が、彼らを再び、子供のころに失敗した、上野動物園からラクダを盗み出すという計画に向かわせる。純粋な平田作品だと多分最後の盛り上がりはないままドライに終わっていただろう。ちょっとウェットではあったが、ストレートな感動があった。