ジエン社『ボードゲームと種の起源』

ボードゲームと種の起源

タイトル通りテーマはボードゲーム。この作品のために作ったオリジナルのボードゲームを登場人物4人がテストプレイしているシーンから始まる。ボドゲ作家中大、長らくひきこもりだったその妹個子、中大の恋人というわけじゃないのに彼らと同居している謎の同居人ニホエヨ、そして中大がボドゲ会でひろってきた自称ボドゲ妖精チロル(前作『物の所有を学ぶ庭』にでてきた妖精さんと同名)。彼らのキャラ立ちがすばらしい。

ボードゲームにはほとんど興味がないので大丈夫かとも思ったが、まったく心配なかった。よくも悪くも、ボードゲームと内容の関係がまだまだ外在的だったからだ。まだ、題材のボードゲームを芝居の中で展開し切れてないということでもあるのだけど、実は今回の公演はワークインプログレス的なもので、2019年5月に「拡張版」と題した本公演が行われる。それを踏まえてヒアリングを重ねていこうとしているとのこと(ぼくは参加しなかったが公演後に劇中でてきたゲームをプレイするイベントがあるのだけど、それもヒアリングの一環らしい)。

劇中のボドゲ用語を使うなら、今回の公演は「インスト」(ゲームのルールや世界観を説明すること)だったのだろう。充分ルールや世界観を理解して「プレイ」に望む準備ができた感じがする。楽しみだ。

作・演出:山本健介/アーツ千代田3331 B104/自由席2700円/2018-12-15 19:30/★★★

出演:寺内淳志、沈ゆうこ、名古屋愛、高橋ルネ