五反田団+演劇計画2007『生きてるものはいないのか』
作・演出:前田司郎/こまばアゴラ劇場/自由席2000円/2007-11-03 19:30/★★★
出演:浅井浩介、上田展壽、大山雄史、尾方宣久、岡嶋秀昭、駒田大輔、鈴木正悟、立蔵葉子、長沼久美子、新田あけみ、野津あおい、肥田知浩、深見七菜子、松田裕一郎、宮部純子、用松亮、森岡望、中村真生
開演前にパンフレットをみて死がテーマというから、死をめぐって展開される静かで日常的な物語を想像していたら、とにかく死、死、死、原因不明の病気か何かで人々が次々に死んでいき舞台が死体(もちろん正確には死体を演じている役者)で埋め尽くされるかなり壮絶な話だった。
そこにはヒロイズムもヒューマニズムもなく、かなりリアルに死が描き出されていた。人々が死の直前に望むのはただ看取ってくれる人の存在なのだ。
今まで書いてきたことからだと重苦しい舞台のようだけど、そんなことは全然なく、全編笑いにあふれていて、シリアスな不安感のコメディーリリーフになってくれたが、不安感はラストでピークに達する。芝居が終わり、明かりがついて死体が起き上がったときには、ちょっとほっとした。