青年団プロジュース『夏の砂の上』

作:松田正隆、演出:平田オリザ/青山円形劇場/指定席3500円/1998-11-07 19:00/★★★★

出演:金替康博、藤谷みき、幹ジュンコ、占部房子、大塚洋、伊藤季久男、松井周、山村崇子

長崎が舞台で、せりふはほとんど長崎弁。造船所が倒産して失業し、妻に去られた男が主人公。そこに、妹が、自分の娘(主人公にとっては姪)を預けにやってくる。傾きかけた町の傾きかけた人間たちが、自分ではどうしようもできずに、じりじりと少しずつ砂の中に沈んでいくような物語だ。「…行くならもっと遠いとこ、もっと、ぜんぜん、誰も知らないところ。」という最後のせりふが鮮烈に響く。