現代の政治的立場はおおよそ次の三幅対であらわされるという。 コミュニタリアニズム(communitarianism) 個人の自由より国、民族等共同体の伝統的な価値観を重視する、共同体あっての個人という考え方。 リベラリズム(liberalism) 立場の入替可能性(ぼくはきみだったかもしれないし、きみは彼または彼女だったかもしれない)に基づいて異なる価値観への寛容と機会の平等のための制度をととのえていく。市場における政府の役割を重視する。 リバタリアニズム(libertarianism) 自分の身体は自分で所有しているという考えに基づいて、個人の最大限の自由を主張し、政府の介入を最小限に止めようとする。実質的には経済的自由に重きが置かれていて、市場原理を重視し、所得の再分配を認めない。 ということを前提知識として、いくつか比喩を思いついたので書いてみる。 ...
何のまえぶれもなく目を閉じて、自分のまわりのものを想像してみる。 たとえば、飲みかけのペットボトルのラベル。自分のシャツのストライプ。日向と日陰の境目の線。今座っているところは階段の何段目なのだろうかということ。とぎれとぎれに聞こえる声の主との距離とネクタイの柄。いるのかいないのかわからないハトたち。いないのかいるのかわからないぼく。 ...
「見殺し」と「黙殺」、対決したらどちらが強いだろうか。見ているだけで殺すか、黙りこくって殺すか。甲乙つけがたい。 実は、「黙殺」というのは、「殺」という文字が入っているけど、誰かが死ぬとは限らなくて、ただ無視するだけだった。人が死ぬ「見殺し」の方が強そうだ。 ...
朝は仲間由紀恵に起こしてもらっている。 正確には「声に」というべきで、時間になると携帯電話のアラーム機能が「おはようございます」と仲間由紀恵の声で叫ぶのだ。もちろんそれは、一種の苦行といっていい朝の不本意な目覚めを少しでも楽しくしようという、創意工夫の賜なのだけど、結局のところ焼け石に水で、それどころか思わぬ副作用をもたらすようになってきた。鬱々と心の底にふりつもってゆく暗い負の感情。それはつまり仲間由紀恵に対するルサンチマンだ。 ...
このところアンティゴネという女性の名前をよく耳にする。アイドルか何かかと思ったら、そうではなく、古代ギリシアの有名な悲劇のタイトルであり、そのヒロインの名前でもあるらしい。 ...
はじめて芝居をみたとき、舞台の上で雨がふっていると思ってたら、いつのまにか外でも雨がふっていた。その雨はとても心地よくて、ぼくは雨と同時にその街も好きになった。 ...
「選択肢を保護しよう!! 著作権法改正でCDの輸入が規制される?実態を知るためのシンポジウム」というイベントの実況録音をきいていて、ピーター・バラカン氏の次の言葉が印象的だった。 ...
結局、何もしないいいわけのために、どこにも届かない言葉を投げているような気がしてきた。それで、ユニセフに寄付した。言葉が届かなくても、お金は届くだろう。 ...
自らを「俗世間代表(笑)」と書かれていらっしゃいますが、書かれている内容を拝見する限りでは「俗世間」という無色のものではなくある特定の立場にたたれていらっしゃるようにみえます。もちろんそれが悪いということはありません。ただ、ご自分が色のついていない中立の場所にいるのではないということをはっきり自覚されたほうがよいように思います。そしてすべてはその立場の違いから来ているのではないでしょうか。 ...
小泉氏の靖国参拝が憲法違反であるという判決がくだった。それについて小泉氏は「何で憲法違反か分かりませんね。」とか「何で外交に支障があるのか。日本人が靖国神社に参拝してどうしていけないのか。わかりません」と「わからない」をくりかえしているようだ。 ...
今日は帝都高速度交通営団が東京地下鉄株式会社(東京メトロ)になった記念日であるとともに四月の魚の日でもあるわけだが、自己欺瞞のかたまりのぼくがこれ以上嘘を積み重ねる必要もないだろう。というわけでほんとうのことを書く。 ...
「内田樹の研究室」がblog化されたのでリンクをはりやすくなった。 内田樹の研究室:国益と君が代 ...
テロリズムというのはたちの悪い寄生生物だ。テロリストは単なる宿主に過ぎないので、殺しても、寄生生物は死なない。分裂して周囲の人間の中に入り込み増殖する。寄生されるのは、テロリズムに敵対する側も同様で、シャロンやブッシュのやっていることが一見テロリズムと区別がつきにくいのは、そのせいなのかもしれない。 ...
またひとつ年をとっちまった。 そういえば、横浜市長が青少年の特段の理由のない夜間外出は親から罰金を徴収する条例を作ったらどうかという発言をしたとき、それはどう考えてもおかしいだろうと当然のように思ったのだが、勤務先での何気ない会話で、ぼくより年下の人が親としての立場からこの条例に賛成するのをきいて、その意見そのものではなく、親からみた視点というのに、へえと思わされたのだった。何せ、ぼくはこの年になっても、規制される青少年側に立って考えている。青臭い正義感はぬけないし、よくも悪くもまだ子供なのだ。 ...
秩序を愛するタイプの人間なのだが、少しでも混沌にゆだねてしまうともう際限なく身も心もまかせてしまうという悪い癖をもっている。というより表に出るのはほとんど混沌の部分なのでよく誤解をされる。CDなんかも数枚ラックに収まらなくなってしまっただけでもうどうでもよくなってしまって、ケースを放置して、踏んづけてひび割れるくらいはいい方で、ディスクも何枚かはほこりと傷にまみれてもう収拾がつかなくなりかけている。 ...
三月に入ってめっきり寒くなった。春のようだった二月と入れ替わりで今年は三月がもっとも寒い月になるのかもしれない。頭の方はまだそれについていけず花が咲いたような状態で全く使い物にならない。現実をみないようにするため、物欲の世界に閉じこもりつづけている。 ...
2月18日に発売されたキセルのニューアルバム「窓に地球」はCDではなくCCCDだった。サイトで視聴すると魅力的な曲ばかりなのだが、とても残念だ。 ...
「やらなくてはいけないこと」をやる気力がでるまで待っていると、いつまでたっても何もできないので、とりあえず「やるべきこと」からかたづけることにした。 ...
bleu blanc blog : Mémoire illégaleより Yuseiという人が「著作権が侵害されるという理由でP2Pソフトを違法にするなら、FTPやメールクライアントも禁止すべきだ」といったのに対し、marmoute という人が「紙、鉛筆、洞窟(訳注:多分壁画のことをいっている)、カメラ、すべての映像、音声、記述のためのメディアも違法だよ。人間の脳も違法だ、ライセンスがないものを記憶できちゃうからね」。 ...
Googleではほぼ毎月、その月多く検索されたキーワードや人名をZeitgeist(「時代精神」という意味)と題して公開している。その2003年全体のまとめが公開されているようだ。 ...