「静かな時間。今ここには誰もいない・の・ではないかと思う」という語りからはじまる3人の登場人物の朝の心象風景が語られる。彼らは横浜市鶴見区大黒町の物流センターに派遣社員として働いているという共通点がある(ちょうどそのあたりを通って劇場にたどりついたので奇遇な気がした)。彼らの物語...
峯村リエさんは、これまで何回も舞台を見てきて大好きな俳優さんだけど、タイトルになっているとは、どういうこと?という感じだったが、思いがけずいい舞台だった。 3人の作家による3つの短編だが、それを順番に別々のものとして描くのではなく、枠物語の構造にして有機的に組み合わせる演出が成功し...
昨年惜しくも亡くなった宮沢章夫の1994年初演の作品の再演。演出は彼の作品を俳優や制作として近くで見てきた笠木泉さんが担当している。 砂漠監視隊というただ砂漠を監視する組織に派遣された7人の男たち。誰もが、あまりにも手持ち無沙汰で、割り当てられた作業を他人に渡すまいとしている。隊員...
タイトルに「はじまり」とあるがむしろ終わりからみた物語だ。 舞台は前作『モスクワの海』から引き続いて多摩川西岸の町登戸。ぼくはみてないがその前の作品も登戸が舞台で登戸三部作らしい。 その登戸の多摩川沿いにある小さなアパートCASA Yoknapatawpha(フォークナー作品の舞台の架...
笠木泉さんの関わった作品はこれまで割とみてきたつもりだけど新しいユニットを立ち上げて作・演出をしていることについ最近気がついた。出演している人たちもなつかしい顔ぶれだ。特に松竹生さんを舞台でみるのは16年ぶりで、いい歳のとり方をされていることに安心しつつも、特にコロナ以降ひどくな...