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Q
吉本バナナの小説<アムリタ>の目次で、0091という数字が出てきましたが、その意味がどうも理解できません。本文にも何も触れていないそうです。ほんとに困ってしまいます。(李建雲さんの質問)
A
とてもおもしろい質問でしたが、もう少し手がかりが得られてからここに載せようと思っているうちにずいぶん時間がたってしまいました。このあたりでいったんまとめておきます。
調べてみたら、単行本の福武書店版と、角川文庫版『アムリタ』13章には確かに『0091』というタイトルがつけられています。しかし、新潮文庫版と全集版では章タイトルがすべて削られていました。ますます謎は深まったので、てっとり早く作者のよしもとさん本人に確認することにしました。
http://www.yoshimotobanana.com/cgi-bin/qanda/qanda.cgi?page=4&yy=2003&mm=05
2番、どうしても思い出せません!なんだったんだろう???国際電話の頭?違うしなあ。なんだっけ?ごめんなさい!
というのも、章題は連載の時点でどうしても必要だったのでつけていただけで、特に執着はなかったのですが、はじめに単行本にするときはそのまま出してしまい、連載から時間がたった版ではもういらないだろう、ということでなくしたのです。訳者にも大変になってしまうので。
ということで作者にもわからないということです。
その後、dhyanaさんという方から書き込みをいただきました。それによると、『アムリタ』は作者の内面としてはインドが舞台なので、インドの電話番号ではないかということでした。
確かに、アムリタというのはインド神話に出てくる神々が飲む水を指すようで、インドが関係してるのは間違いないと思います。ただやはり疑問として残るのは、「なぜあの章か?」というのと、日本からインドに電話するときは0091ではなく 00191 になります(サイパンからは 01191 というように91の前の番号はかける国によってちがうようです。もちろん 0091になる国もたくさんあります)。という疑問点は残るものの、章題は連載の都合上仕方なくつけたということなので、もともとちょっとそぐわないものである可能性が高いわけです。とすれば、インドの局番というのが現時点での最有力な候補といっていいと思います。