loveとlike
Q
「あいしてるー」と伝えた人には、「すきですー」という言葉はもう、不要でしょうか?いちど「愛してます」と言った人には、「好き」という言葉は、使わない方がよいですか?(Poさんの質問)
A
英語の場合は like の意味を強めたのが love のような気がします。loveは「愛している」という意味も含んではいますが、むしろ「大好き」と訳したほうが意味が通る場合の方が多いです。なので、loveと言った後にlikeというのはちょっとまずいかもしれません。
日本語の「好き」と「愛してる」の間の関係はそれほど単純ではなく、どちらも英語に訳すと love だと思います。物事の本質を極めるには対極を攻めてみるのがいい場合があります。そこで「好き」の逆の「嫌い」、「愛している」の逆の「憎む」(英語では両方とも hate で、ちょうど対照的な関係になっています)、この2つの差を考えると、「嫌い」は相手から離れていればいいだけですけど、「憎む」の方は相手に接近して積極的に貶めたいという意志を含みます。
逆を考えると、「愛している」には相手に働きかけて肯定的な反応(相思相愛)を得たいという意志を含むのに対し、「好き」は単なる自分の感情表明ということになります。統計的には好きという気持ちと肯定的な反応を得たいという気持ちは比例していそうなので、「愛している」という言葉を使ったほうがより強い表現と受け取られる可能性が高いですが、あえて「好き」の方を使って、もう一度自分の感情だけをストレートに伝えるのもありかなという気がします。
どちらの言葉も有効期限付きの言葉のような気がするので、期限が切れる前に、思ったときにすぐに口にしたほうがいいのではないでしょうか。それがどちらだろうとあまりかわりはないような気がします。