城山羊の会『トロワグロ』
近所や取引先の人を招待してのホームパーティーが舞台。夜がふけてほとんどの客が帰り、残ったのは、ホストの添島夫妻のほかは、デザイナーの斉藤夫妻、たまたま同姓で病み上がりの斉藤雅人、トヨタの社員で遅れてやって来た田ノ浦のみ。あとから添島家のひとり息子が帰宅する。
いつもはけっこうマジックリアリズムで、日常からちょっとはずれた特異な出来事を挿入して話を展開させることが多いが、今回は日常性の中でのリアリズムに徹している。それぞれのセリフや行動がほんとうにそのキャラクターの職業や世代、立場をリアルに再現していてすばらしい。その日常性の中に元々含まれている非日常への契機、それはつまりセックスと死なのだけど、その二つがラストシーンで同時にどかんと現前する。
魅力的な人妻を演じた平岩紙さんがほんとうに魅力的だった。凛とした態度と言葉そして特にダンスシーンがすばらしい。
作・演出:山内ケンジ/ザ・スズナリ/指定席3500円/2014-12-07 19:30/★★★
出演:平岩紙、古屋隆太、石橋けい、岩谷健司、師岡広明、岡部たかし、橋本淳