ペンギンプルペイルパイルズ『cover』
作・演出:倉持裕/下北沢本多劇場/指定席4700円/2009-07-18 19:00/★★★
出演:鈴木砂羽、小林高鹿、近藤智行、玉置孝匡、吉川純広、ぼくもとさきこ、谷川昭一朗
このところコントが続いたが、久々のストレートな演劇。
幕開き早々のカーチェイスのシーンに瞠目。映画ではお定まりのシーンだけど舞台上でははじめてみた。演劇というメディアは、制約があるからこそ、それを逆手にとっていろいろ面白いことができるのだ。
釣り上げたタコの体内から30年前に行方不明になった少女の書いた手紙が出てきた。なぜか逃げる釣り人を追いかける少女の弟たち。事故った彼らがたどりついたのは、とある旧家で、そこには姉と弟二人の三人姉弟が暮らしていた……。
シュールなシチュエーションだが、安易な不条理や突発的な暴力[そう。銃が登場したとしても、必ずしもそれで血が流される必要はないのだ]に逃げることなく、リアルな情感とユーモアをちりばめて、見事にまとめた舞台だった。特に鈴木砂羽さんがすばらしかった。