Shakespeare's Wild Sisters Group × 庭劇団ペニノ 『誠實浴池 せいじつよくじょう』

誠實浴池

脚本も演出も日台共同とのこと。日本語と中国語がちゃんぽんで語られるが相互に理解可能という設定。

銭湯の廃墟が、戦死した兵士たちを慰めるための風俗店として再利用されている。この銭湯の舞台装置がすばらしい。規則に従い彼らはここで「プレイ」に参加する。彼らが今生に残した未練を解放するのが目的らしい。たまたまか、この夜参加した4人の男たちはみな女性に関する未練をもっていた。ひとりは幼い娘とあまり触れあえなかったことを後悔し、ひとりは病気の妹を自分の手で安楽死させたことを気に病んでいる。残りの2人は同じ女性を愛していてお互いを恋敵だと思っている。

「プレイ」というのはそれぞれが思いを残す女性を演じるというロールプレイだ。彼らはそれによって癒されてある姿に変身する。その姿がまさにペニノらしい。

なぜこの「プレイ」で彼らが癒されるのかはわからなかったが、「プレイ」の進行役である娘たちによって歌われる歌には癒された。

作・演出:王嘉明、タニノクロウ/東京芸術劇場プレイハウス/S席6000円/2025-10-03 19:30/★★

出演:Fa、楊迦恩、崔台鎬、陳以恩、洪佩瑜、片桐はいり、金子清文、藤丸千