城山羊の会『水仙の花』

水仙の花

城山羊が三鷹でやるときにはつい期待してしまうが、今回も劇場の名物担当者森元さんが出てきて拳銃で撃たれてくれた。

城山羊の会はどの作品にも多かれ少なかれ暴力の香りを感じる。前作はリミッターを外しきった感じだったが、今回は血のにおいを花のにおいの裏に隠して、スタイリッシュになっていた。

森元さんが巻き添えで撃たれたシーンのあと、一緒に撃たれたはずの映子が無傷の状態で気がつく。そこは民家のロビーで目の前に座っている男性が路上で倒れている映子を見つけて運んできたのだという……。そのあとも暗転からあける度に、その間の展開が想像できない突拍子もない変化の連続で、大いに楽しませてもらったのだった。

最後も説明しきってしまわず謎を残したままのもよかった。

俳優陣では金子岳憲のとぼけた演技がよかった。岡部たかしの出番が少なかったのは残念。

作・演出:山内ケンジ/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席2700円/2015-12-05 19:30/★★★

出演:吹越満、松本まりか、安藤輪子、島田桃依、重岡漠、金子岳憲、岡部たかし、岩谷健司