Mac で消したファイルを復元する方法
Mac を使っていて不便だなと思うことの一つが、Finder からゴミ箱を経由せずにファイルを削除する方法がないことで、特にSDカードなどのリムーバルディスクなどの場合、容量を開けたくて消しているのに、ディスクの中にゴミ箱フォルダーが作られて、そこに移動させられてしまうだけなので、何の解決にもならない。もちろんゴミ箱を空にすれば消えるが、この操作は全ディスク共通なので、ハードディスクのゴミ箱はまだ空にしたくないと思っても、まとめて消すか消さないかのどちらかしか選択できない。
そこで、ぼくはMac OS X付属の Automator の機能を使って、ファインダー上のコンテキストメニューに「その場で削除」を登録していた。先日、SDカードの中に消したはずのデジカメのファームウェアをアップデートするファイルが残っていたのを発見して、「その場で削除」したら、なぜかその日撮ってきた写真のファイルが格納されたフォルダーが消えてしまった、とここまでがことの経緯。この先がようやく本題だ。
どうせたいした写真は撮れていないので、失われてもダメージはそれほど大きくはなかったが、復活できるものならしておきたい。検索したところあっさり Photorec というオープンソースのソフトが見つかった。ほとんどすべてのファイルシステムから、削除された(主に)マルチメディア系のファイルを検索して復元してくれる。ちなみにタイトルには「Mac」とつけたが、Photorec は Windows や Linux でも実行することができる。
復元の方法は簡単。バイナリをダウンロードして適当なディレクトに展開し、root権限で photorec というコマンドをターミナルから引数なしで実行すればよい。
% sudo ./photorec
すると、CUIの画面が立ち上がるので、まず検索するディスクを容量を頼りに一覧から選択し、そのあと引き続いてパーティションテーブルの種類、パーティション、ファイルシステムの種類、検索範囲(フリーエリアのみか全体か)を順次選択していき(ほとんどの場合デフォルトのままでいい)、最後にファイルを保存するディレクトを選ぶと検索がはじまる。あとは待つだけだ。
ぼくは写真をRAW(Adobe DNG形式)で撮っているが、拡張子一覧の中に見あたらないので、未対応なのかと思ったが、心配無用。DNGはTIFFとして認識されるらしい。オプションで、検索するファイルの種別を選ぶメニューがあるが、そこで、TIFFが有効になっていれば(デフォルトで有効)、DNGも検索、復元してくれる。
これですべてのファイルが無事復元できた。