K-7 ファーストインプレッション

6月27日に発売された Pentax K-7 を運良く発売日に入手することができた。翌日の日曜はあいにくの雨だったが、今週の土日は両方とも薄日がさすような天気で、それなりにいじる機会が得られた。もともと K10Dユーザだったので、それと比較しつつ簡単に感想を書いておきたいと思う。

筐体-—K10D の 141.5mm(幅)×101mm(高)×70mm(厚) に対して K-7 は 130.5 × 96.5 × 72.5 で、実際持ってみてもちょうどひとまわり小さくなったのが実感できる。重さも電池込みで 790g が 750g になり若干軽くなっている。

操作性-—メニュー操作が大きく変更されている。現在の設定情報が液晶画面上に一覧されて、そこから項目を選択して、設定画面に移動するようになっている。メニューを探し回る必要がなくなって便利。ただ、オートフォーカスをSELモード(測距点を11のポイントの中から選択できるモード)にしたとき、測距点を移動する前にOKボタン押下が必要になって、ワンステップ操作が増えた。実は、K10Dのときはシャッターを半押ししてフレームをずらせばいいと思っていて、全然使っていなかったのだが、マクロの場合だと、それでは距離が大きく変わってしまってだめなことにおそまきながら気がついた。少なくともマクロの場合は SEL モードが必要なのだ。

ライブビュー-—地面にカメラを置いたりとか、高い塀越しに撮るときなど(と書くといかにもやばばいものを撮っているようだがそんなことはない)、ファインダーがのぞけない状況というのは意外にあるものなのだ。K-7 にはそういうときに液晶で画角を確認しながら撮れる機能、すなわちライブビューが搭載されている。難点はAFで、手動で背面のAFボタンを押しっぱなしにして焦点をあわせなくてはいけない。ライブビュー用のコントラストAFモード(顔認識することも可能)だと、焦点が合うまでそれなりに待たされる(オートフォーカスが搭載された初期の携帯電話のカメラのような感じ)。かといってファインダーをのぞいているときと同様の位相差方式にすると、フォーカスしている間ライブビューがオフになり、合唱後もとにもどるというまどろこしいことになる。いずれにせよそれからシャッターを押さなくてはいけないわけで、その間にカメラが動く心配もあり、ちょっといただけない。改善をのぞみたいところだ。

シャッター-—押したときの反応がすばやく音も軽快、衝撃も圧倒的に少ない。この感触を味わうだけでも K-7 にした甲斐があるといっても過言ではない。

ホワイトバランス、感度、AF-—K10Dでは夜景や室内の撮影だと100%ホワイトバランスがくるうので、RAW現像時に修正するのが前提となっていたが、K-7 はかなり正確に再現してくれる。いまやあたりまえのことかもしれないが、K10Dユーザとしてはかなりのブレークスルーだ。感度も以前より正確で、夜景でライトがついている部分が白飛びしにくくなっている。また、まだ試していないが、K-7 にはダイナミックレンジ拡張機能というのがついていて、それを有効にすると、晴れた日の路地などコントラスト差が激しい場面でも、白飛びや黒つぶれしにくくなるそうだ。AFの速度や正確さも改善されたらしいが、いまのところ、あいやすい場面ではあう、あいにくい場面ではあわないという感じで、今ひとつ向上を実感できていない。

その他の改善-—K10Dで使いにくいと思っていたところが微妙に改善されている。手ぶれ補正のスイッチに触れてしまって、知らない間にOFFになっていることが多かったのだが、K-7 ではスイッチがなくなり、メニューでON、OFFが切り替えられるようになっている(頻繁に切り替える人にとっては面倒だが)。あとまだそういうことになっていないので確かめたわけではないが、電池残量の目盛りが細かくなっているようだ。K10D では、一目盛り減ると、もう数枚しか撮る余地が残されていなかった。あと、水平とのずれを検知して表示したり補正したりする機能は、平衡感覚の弱いぼくにとっては便利な機能だし、ファインダーの視野率が100%(つまりファインダーでみえている範囲がそのまま写る。ふつうは90%台なので、みえている範囲より少し広い範囲が写る)なのも当然うれしい。

画質-—満足。特に夜景がいい。ネットなどで、ノイズが多いといわれているが、それはそれで事実。決してノイズが少ないカメラではない。K10D に比べるとノイズが出る傾向が違う。高感度だから一概にノイジーというわけでもなく、低感度でもノイズがのることはある。像がきたなくつぶれてしまうようなたちが悪いノイズではなく、粒子感が感じられる程度。K10Dでは ISO800は非常用として使ってきたが、K-7では常用できると思う。

動画-—まだ試していない。というか試す機会あるだろうか。

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