いままで規則動詞とêtre, avoirの活用(直説法現在のみ)を紹介しました。今回と次回でそれ以外の動詞の活用を紹介します。
規則動詞ではないので、不規則動詞とは呼ばれますが、完全に不規則というわけではありません。語尾の部分には一定の法則性があります。ただ、語幹の部分が、辞書の見出しになっている不定法の形から推測できないものがほとんどです。
語尾の変化の仕方は大きく2つにわかれます。規則動詞のところでとりあげた第1群規則動詞-erの型と第二群-irの型です。復習してみましょう。
|
<td>
-er型
</td>
<td>
-ir型
</td>
一人称単数
|
<td>
-e
</td>
<td>
-s(-x)
</td>
二人称単数
|
<td>
-es
</td>
<td>
-s(-x)
</td>
三人称単数
|
<td >
-e
</td>
<td >
-t
</td>
一人称複数
|
<td >
-ons
</td>
<td >
-ons
</td>
二人称複数
|
<td >
-ez
</td>
<td >
-ez
</td>
三人称複数
|
<td >
-ent
</td>
<td >
-ent
</td>
単数形はすべて同じ語幹になり、一人称複数と二人称複数も同じ語幹です。三人称複数は単数形と同じ語幹になる場合もありますし、一人称複数や二人称複数と同じ場合になる場合もありますし、全く独自の形になることもあります。つまり覚えることは4つあるということになります。
- -er型、-ir型どちらの活用か?
- 単数形の語幹
- 一人称複数と二人称複数の語幹
- 三人称複数形の語幹
なお、-ir型で**-xという活用になるのは語幹の末尾が-eu, -ou, -eau, -auなどで終わる場合**です。
vivre(生きる)という動詞について見てみましょう。
- -ir型です。
- vi-
- viv-
- viv-
devoir(~しなければならない)という動詞について見てみましょう。
- -ir型
- doi-
- dov-
- doiv-
代表的なものをまとめて一覧で紹介します。
|
<td>
valoir<br /> (価値がある)
</td>
<td>
vouloir<br /> (~したい)
</td>
<td>
ouvrir<br /> (開く)
</td>
<td>
venir<br /> (来る)
</td>
<td>
courir<br /> (走る)
</td>
<td>
mettre<br /> (置く)
</td>
<td>
lire<br /> (読む)
</td>
<td>
voir<br /> (見る)
</td>
<td>
acheter<br /> (買う)
</td>
<td>
prendre<br /> (とる)
</td>
活用の種別
|
<td>
-ir型(-x)
</td>
<td>
-ir型(-x)
</td>
<td>
-er型
</td>
<td>
-ir型
</td>
<td>
-ir型
</td>
<td>
-ir型
</td>
<td>
-ir型
</td>
<td>
-ir型
</td>
<td>
-er型
</td>
<td>
-ir型
</td>
単数形の語幹
|
<td>
vau-
</td>
<td>
veu-
</td>
<td>
ouvr-
</td>
<td>
vien-
</td>
<td>
cour-
</td>
<td>
met-<br /> (ただし三人称単数はmet)
</td>
<td>
li-
</td>
<td>
voi-
</td>
<td>
achèt-
</td>
<td>
prend-<br /> (ただし三人称単数はprend)
</td>
一人称複数と二人称複数の語幹
|
<td>
val-
</td>
<td>
voul-
</td>
<td>
ouvr-
</td>
<td>
ven-
</td>
<td>
cour-
</td>
<td>
mett-
</td>
<td>
lis-
</td>
<td>
voy-
</td>
<td>
achet-
</td>
<td>
pren-
</td>
三人称複数形の語幹
|
<td>
val-
</td>
<td>
veul-
</td>
<td>
ouvr-
</td>
<td>
vienn-
</td>
<td>
cour-
</td>
<td>
mett-
</td>
<td>
lis-
</td>
<td>
voi-
</td>
<td>
achèt-
</td>
<td>
prenn-
</td>
- mettreやprendreのように単数形の語幹が-tや-dで終わる場合には三人称単数形の語尾-tは省略
- c, gなどのように後続の母音により発音が異なる文字が含まれる場合、発音にあわせてスペルが変更されるため、同じ単数形同士や一人称、二人称複数形でも微妙に活用が異なる場合があります。