山岸哲『オシドリは浮気をしないのか―鳥類学への招待』

オシドリは浮気をしないのか―鳥類学への招待 (中公新書)

この前読んだ柴田敏隆『カラスの早起き、スズメの寝坊―文化鳥類学のおもしろさ』は鳥を擬人化して扱うような一般向けの面白さをねらった本だったが、これはもっと研究者よりの視点で書かれた本。

タイトルの「オシドリは浮気をしないのか」という質問に関しては直接は答えられていないのだが、一夫一妻制が多い鳥の世界ではあっても婚外交尾はかなり多く、たとえばモズの場合は10%は雄は遺伝子的に自分の子供でない雛のためにエサを運んでいるそうだ。雌は子育ての助けを得るため妥協して、最良とはいえない雄の求愛を受け入れるのだけど、自分のパートナーより優れた雄が現れた場合は婚外交尾を受け入れるらしい。

★★