2012年2月11日 ブラックウッド『秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集』 幽霊や妖精がでてくる怪奇物の短編集。オールドファッションなのはわかっていたが、だからこそ何か新しい発見があるんじゃないかと手に取った。 一番おもしろかったのは、表題作の『秘書綺譚』かな。幽霊が出てこないので、相手が生身の人間たち(でも幽霊より不気味)なのがかえって新鮮だった。怪異の正体が幽霊だとわかった瞬間に緊張感が途切れて妙にしらけてしまうのは、怪談に限らずジャンル物の不幸というべきかもしれない。 無星