最所フミ編著『英語類義語活用辞典』
英和辞典をひくと同じような意味が載っている複数の単語。それぞれ、微妙にニュアンスが異なり、こういうときには使えるけど、こういうときには使えないという違いがある。いわゆる語感というやつで、それをつかむにはたくさんの英語の例文をこなしていくしかないと思っていたが、画期的な本をみつけた。
日本人が混同しそうな単語のグループごとに、その差異を解説してくれている。辞典と銘打っているが、各項目を読み物として読めるようになっている。big と large, mind と spirit, decide と determine, suspect と doubt など興味深い組合せがたくさんあった。座右の書にして、英語の本を読むときに、役立てたい。
編著者の最所フミという人にも興味をひかれた。1908年生まれでアメリカの大学、大学院に留学し、戦後すぐから英語の雑誌に26年間も映画評を続けた人らしい。15歳年下の加島祥造と同棲したあと、12歳下の鮎川信夫と秘密裏に結婚したそうだ。鮎川が亡くなって4年後1990年に彼女もこの世を去っている。本書の解説はその加島抄造が書いている。なんかドラマを感じた。