シャーロット・コットン(大橋悦子・大木美智子役)『現代写真論 コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ』
本書は、コンテンポラリーアートとしての写真を、×写真家を羅列するのではなく、×様式やテーマで分類するのでもなく、×歴史を通して語るのでもなく、○写真家のモチーフや製作方法で分類し、その世界の広がりを概観しようとした本だ。
とりあげられるモチーフは8つで、それぞれ章を構成している。
- これがアートであるならば
- 昔々
- デットパン
- 重要なものとつまらないもの
- ライフ
- 歴史の瞬間
- 再生と再編
- フィジカル、マテリアル
各章ではあわせて243点もの作品がカラーで収録されている(それがとにかく素晴らしい!)。そして、写真をみただけではわからないモチーフや製作方法が本文で解説されている。ただ訳文はそんなにこなれてなくて、必ずしも読みやすいとはいえなかった。英語で読んだ方が頭に入ったかもしれない。
最近スランプ気味の、カメラをぶらさげてただ歩く人としては、写真というものの可能性に目を見ひらかせてくれて、かなり参考になった気がする。